高濃度ビタミンC点滴治療(がん治療)

高濃度ビタミンC点滴治療(がん治療)について

高濃度のビタミンCはがん細胞を消滅させる

1970年代にビタミンCの点滴と経口サプリメントで、末期進行がんの患者の生存期間を4.2倍から6倍も延長することが医学誌に発表されました。

また、2005年には米国の国立健康研究所、国立がん研究所、国立食品医薬品局の科学者たちは「高濃度のビタミンCはがん細胞を消滅させる」という共同論文をアメリカ科学アカデミー紀要誌に発表しました。

これを契機に、米国の大学病院を中心に高濃度ビタミンC点滴療法ががんの補助療法として研究と普及が始まり、日本でも2007年から徐々にがん治療の選択肢として導入されるようになりました。

副作用がない高濃度ビタミンC点滴療法

現在では米国、カナダ、日本などの大学病院で、がん患者を対象にした高濃度ビタミンC点滴療法の臨床試験が30以上も進められ、論文も数多く発表されています。

これまでの論文から、高濃度ビタミンC点滴療法が、がん患者の痛み、倦怠感、食欲低下、不眠などの症状を改善し、QOL(生活の質)を維持することがわかりました。また、単独あるいは他の治療との併用でがんの進行の停止や腫瘍の縮小例の報告もあります。

何よりも高濃度ビタミンC点滴療法では化学療法のような辛い副作用が殆どないのが利点です。
私たちは、高濃度ビタミンC点滴を全てのがんの基本治療の一つとして推奨しています。

高濃度ビタミンC点滴療法が適している方

1.標準的がん治療が無効もしくは効果が低い

2.標準的がん治療の効果をより確実にしたい

3.標準的がん治療の副作用を少なくしたい

4.良好な体調を維持しながら寛解期を延長したい

5.標準的がん治療ではなく代替治療を受けたい

※高濃度ビタミンC点滴療法と標準的がん治療の併用を推奨します。

高濃度ビタミンC点滴療法の適応疾患

すべての悪性腫瘍(がん)

胃がん・大腸がん・直腸がん・肝臓がん・膵臓がん・腎臓がん・肺がん・脳腫瘍・前立腺がん・乳がん・子宮がん・卵巣がん・膀胱がん・白血病・多発性骨髄腫・悪性リンパ腫 など

※高濃度ビタミンC点滴療法の効果には個人差があります。すべての方に有効に作用するとは限りませんが、副作用のほとんどない治療法としてがん治療やがんの進行による苦痛を和らげる効果があります。

高濃度ビタミンC点滴療法の副作用について

高濃度ビタミンC点滴療法は安全性の高い治療

アメリカのカンザス州ウイチタ市にあるリオルダンクリニックは、高濃度ビタミンC点滴療法によるがん治療を確立したことで世界的に有名な医療機関です。カンザス大学医学部と提携し、これまでに数万件以上の高濃度ビタミンC点滴療法を実施してきました。
このクリニックで経験している副反応は軽微で、副作用による死亡例はありません。実際には殆ど副作用のない安全性の高い治療だと言えます。

*まれな腫瘍からの出血:化学療法でも見られる副作用です。
*みせかけの高血糖:点滴終了後の数時間は、簡易血糖測定器で測る血糖値が実際の血糖値より高値になります。
(これはビタミンCと血糖グルコースの化学的構造が似ていて、簡易血糖測定器ではビタミンCも血糖として測定してしまうからです)
インスリン治療中の糖尿病患者は主治医と相談し、インシュリンの量を調整してください。
*まれな尿管結石:ビタミンCは尿管結石になりやすいと言われていますが、研究でビタミンC点滴では尿管結石は起こしにくいことがわかっています。

高濃度ビタミンC点滴療法を受けることができないまたは注意を要する方について

「G6PD欠損症」という赤血球膜の遺伝性酵素異常がある方は治療を受けることができません。G6PD欠損症がある方は日本人ではごくまれ(0.1~0.5%)ですが、欠損症のある方に高濃度のビタミンCを投与すると赤血球が破壊され、溶血性貧血や急性腎不全などを引き起こす可能性があります。

当院では、25g~50g以上のビタミンC点滴を行う前に必ずG6PD欠損症の検査を実施しています。また、「腎不全で透析中の方」はこの治療を受けることはできません。「心不全、大量の腹水、強い浮腫のある方」は、点滴で水分を血管内に入れることで病状の悪化を来す恐れがあるため、この治療ができない場合があります。

高濃度ビタミンC点滴療法の注射薬について

当院での高濃度ビタミンC点滴では、外国製(マイラン社:アイルランド工場)の、安全なビタミンC注射薬を輸入して使用します。国産のビタミンC注射薬には全て防腐剤が添付されており、高濃度の点滴には適していません。
ビタミンC注射薬は温度変化によって不安定になり、効果が大幅に減少する可能性があります。当院では製造工場からクリニックでの輸送・保管まで、2~8℃の冷蔵保管を行っております。冷蔵空輸にて日本に出荷される安全なビタミンC注射薬を使用しております。

高濃度ビタミンC点滴療法の料金について

内容 料金
初診料 5,500円(税抜5,000円)
12.5gまたは25g 16,500円(税抜15,000円)
50g 22,000円(税抜20,000円)
75g 27,500円(税抜25,000円)
G6PD欠損症の検査(外注) 11,000円(税抜10,000円)
血中ビタミンC濃度測定(院内) 5,500円(税抜5,000円)

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